【黒歴史】魔女になれなかった僕のはなし

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【お焚き上げ】まだあった黒歴史という記事で、中学時代に魔女の宅急便のキキちゃんへの恋心が一周回って、自分がキキちゃんよりももっと可愛くなろうとするヘンなモチベーションへと昇華した話をした。実はまた、それにまつわる話を思い出してしまったんだ……。

どこから話せばいいのやら……

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あらすじがややこしいので、簡単な時系列にしてみる。

①ヒマだ、なんか最近観てないビデオでも観よう……
②魔女の宅急便を観る
③キキちゃんかわゆす!!(恋をする)
④毎日4回は観るようになる
⑤こんなに好きなのになぜ想いは届かないのか……?
⑥そうだ、現実でどうにもならないのなら、魔術やろう
⑦肝心の魔術の基本を記した本が絶版
⑧めっちゃ妄想爆発の小説を書いて現実逃避
⑨なんかオネエっぽくなる

……うわ、時系列にするともっとややこしくなりやがった。えっと、とりあえずこの時系列でいくと⑧くらいのところから今回の話は始まる。

なぜ想いは届かないのか?のもう一つの答え

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いくら中二病真っ盛りのお花畑状態の僕でも、さすがに何のキックバックもないとなると、ただただ疲弊していくばかりだ。この頃、僕は自分の胸を焦がし続ける熱い想いで、食欲が減退するなどの身体的変化まで表れていた。

「なぜだ?なぜ、こんなにも想っているのに届かないのか?……」

現実を乗り越えるために魔術を習得しようとしても、肝心要のノウハウが書いてある本が絶版だったり、僕はもう半ば自暴自棄になって、自らが創作する物語の世界へと猛烈な勢いで逃避を始める。

しかし、もちろん逃げたって想いはなくならないし、それどころかお花畑ストーリーなんか書き続けていたら、ますます強くなっていくばかりだ。魔術という最終手段の道を断たれ、行き場を失った僕の熱い恋のエネルギーは、いよいよ矛先を変える。

「もしかして俺の魂のレベルが低いから届かないんじゃないか?」

……いや、何言ってんの?って今なら猛烈に思うけれど、外部へのアプローチを諦めた恋心は、僕の内へと向いたのであった。

ちょうどこの頃に、僕は人生初の縮毛矯正をかけ、周囲に「カワイイ」とかチヤホヤされたのをきっかけに、燻ぶり始めていたオネエが覚醒してキキちゃんへの恋は一瞬で終わりを迎える、みたいな話はした。

心は女の子として覚醒してしまうんだ。そりゃ可愛くなりたいと思う。しかもスタート時点で周囲の女子に激しく遅れを取っているのだから、いきなり劣等感MAX。僕は慌てて美を追求するようになる。

そんなある日、僕は村にひとつだけある床屋へと向かう。

なぜだ、なぜなんだ

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僕が2歳の頃からお世話になっている床屋だったので、その日も僕が店に入るなり女店主は親しげに話しかけてきた。

「あら~、僕君久しぶり~」

「髪まっすぐにしたの?すっごい似合ってるよ☆カワイイじゃん♪」

突然小さな村に爆誕した中学生オネエの噂は瞬く間に村中を駆け巡り、僕のことを知っている人は皆、僕にマイルドな対応をしてくれていた。たぶん、この女店主も僕がオネエだと知っていたのだろうが、僕はとりあえず固い決意でもって来ていたので、気持ちが揺らぐ前に店主に注文をした。

「え……、僕君いいの?」

店主は何度も確認した上で、訝しがりながらも僕の注文を受けてくれた。

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僕はスキンヘッドになった。

「いいの?本当にいいの?」

と何回も聞かれた。終わってからも、

「本当にこれでよかったの?」

とか、世界を守るために自分の故郷を滅ぼした主人公みたいなことまで聞かれた。きっと「僕君は女の子っぽい男の子」という事前情報を何度も心の中で疑っただろう。

しかし、頭を剃ったのには僕なりの明確な理由があった。

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後悔先に立たず

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僕は、自分が美しくないのを魂のレベルが低いからだと思った。つまり、美しくなるためには魂のレベルを上げる修行をしなければならない、と。

魂のレベルを上げる

修行

僧侶

スキンヘッド

という、マジカルバナナみたいな安直な発想で、僕は頭を剃った。

当然、周囲はもう「カワイイ」とは言ってくれなくなり、僕の扱いに思いっきし困っているのがわかった。30cmはあった髪を突然0mmにしたのだ。そんな激しいイメチェン、普通でもみんな扱いに困る。僕の場合そこにさらにオネエというオプションがついていた。正直後悔したがもう遅かった。

しかし本当の地獄はここからだった……

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髪を失った数日後、僕は違和感を覚え始める。

いや、頭を剃っちゃったんだから当然なんだけれど、髪がないのだ。

風になびく長い黒髪&「カワイイ」でがっちりアンカーされていた僕の女子なアイデンティティは宙に舞う。

「嗚呼……やっぱり髪あったほうがよかったじゃん……」

だからもう遅いっちゅーの。魂の修行はどうしたよ?……そう、“魂の修行”なんて漠然としたモンに何の方向性やプランも持たないままで、勢いで頭を剃っちゃって残るものといったら後悔しかない。

こうなったらもう、諦めて髪が伸びるのを待つしかないのだが、伸びてくる髪は当然、以前のようなサラサラストレートではない。

しかも、この時もう卒業式が迫っていた。僕の唯一チヤホヤされた中学時代が終わる。再び縮毛矯正をかけられる程にまで髪を伸ばせる猶予はもう残っていなかった。そのことに気付いて、僕は部屋で一人しおらしく泣いたのだった。……あ、でも結果的にはよかったよ?あのままチヤホヤされてたらもっと黒歴史を量産していたと思うから、うん、ナイススキンヘッド!

もしよかったらここでもう一度、前回の記事の最後の方を読み返してみてほしい。つまり、僕はアレをやった時、スキンヘッドだったんだ。

 

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/好きならちゃんと言わなきゃダメよっ☆\

どうみても業界の方です。本当にありがとうございました。