ブラック企業の歴史

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前回の記事でブラックな飲食店について書きましたら、うれしいことに僕の中ですごい反響がありましたので、今回はブラック企業の歴史について調べてみました。ルーツについて、僕なりの考えも書いてみたいと思います。

高度経済成長期にも存在した

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「ブラック企業」という言葉が生まれたのは最近のことですが、実はその前の高度経済成長期にも、社員に過酷な労働をさせる企業は存在していました。

・週に1回家に帰れればいいほう
・必要経費は自腹
・早朝から深夜までご飯を食べるヒマもないくらいのぶっ通し勤務

というのはザラにあったようです。当時はそんな過酷な状況下で働く人を「企業戦士」とか「モーレツ社員」と呼んでむしろ賞賛していたそうです。

しかし、当時は日本中が夢と希望に燃えていました。なので、同じ過酷な環境でも今とはまるで当人たちのモチベーションや精神衛生面は違ったのではないでしょうか?

僕ももし、働いたら働いた分、もしくは成果に対してきっちり給料に反映されるのなら、憧れのマイホームを夢見てシャカリキにがんばるなーと思います。

バブル崩壊から何かが狂った

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1991年にバブルが崩壊してから、どこの企業も経費削減をうるさく言うようになりました。人員削減をしたり、残業禁止令なんてのを出してみたり、たしか週休2日制が導入されたのもこのくらいの時期でした。

でも、それまで残業があって回っていた仕事が、いきなり残業禁止令なんて安直なもん始めて回るわけがないですよね。じゃあ、本当に残業禁止令のとおり、時間がきたら仕事を途中でやめて帰っていいかというと、もちろんそんなことはなく……

「仕事が終わっていないのは自己責任。仕事はきとんと終わらせるように」

残業しろとは言いません。「残業は禁止だから給料は出せないが、仕事は終わらせてもらう」つまりこれ、サービス残業の遠回しな強要ですよね。こういうケース本当に多いと思います。

経費削減したいから残業代は出さないけど仕事量は減らさないでね

とかどんだけ虫がいいんですかって話ですよね。

そしていつの間にか「過労死(Karoshi)」なんていう言葉ができて、日本産の世界の言葉になりました。

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最初はきっと小さな善意だった

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ブラック企業が暴走しまくったひどい例として、某大手家電量販店が、取引先のメーカーの社員に棚卸をやらせていたという大きな事件がありました。ちなみに「棚卸」とは、毎月行われる倉庫から売り場からすべての在庫の総チェックです。家電量販店の仕事の中で最もヘビーなものとされ、前日の閉店後から始めて朝の8時くらいまでかかります。

これありえないですよね。自分たちは深夜帯の割増の人件費を負担せずに済むわけですから、まる儲けです。

その他にも、家電量販店に行くと、シャリシャリいうブルゾンを着た人がインターネットの売り込みをかけて来たりしますよね。明らかにインターネットキャリアの名前が書いてあるブルゾンを着ているにもかかわらず、テレビやら家電を販売させられているといった光景、きっと見たことがあると思います。

あれが家電量販店の安さの秘密でもありますが、普通に考えておかしな話。例えば、僕が飲食店をやっていて、仕入先の肉屋に

「お前のとこの肉買ってやってるんだから、ウチ来て調理くらいしろよ。しないんならもうお前のとこから取らないよ?」

って言っているようなもの。で、僕は何をしているかといえば、レジに立って会計だけしている。あとは裏でメニュー作ったり、価格を考えたり。悠長なもんです。本来かかる人件費をかけないで、売上だけ取れるんだからもう笑いが止まりません。その分価格を下げて「他店には絶対真似できない安さ!」とか言って大々的に売り出せばそれはもうフィーバーです。※そりゃ違法行為なんだから良識ある普通の店には真似できないでしょうね(笑)

しかも肉屋さん本人が作っているんだから、お客さんに突っ込んだ質問をされても、僕よりも絶対に上手い説明が出来る。勉強の手間も省けて一石二鳥です。

話が逸れてしまいました。きっと、最初は誰かの善意から始まったんだと思います。サービス残業だってそうです。

「棚卸大変でしょう?○○さんにはいつもお世話になってますし、何か手伝えることがあったらやりますよ?」

「仕込み終わってないんでしょ?いいよいいよ、俺無給でやっていきますから店長たまには休んで下さい」

たぶん最初はそんなのだったはずです。そしたら次にそれを強要する倫理観の乏しい人間が出てくる。

「○○電機さんだと棚卸手伝ったそうじゃないですか?ウチもお願いしますよ」

「おい仕込み終わってねえじゃねえか。残ってでもやっていけ。お前がサボってるから悪いんだ。給料は出せないぞ」

これね、「苦しいんだから仕方ない」とかそんなことじゃない。情状酌量の余地は微塵もない。ただの犯罪者。子どもの頃に親や先生に教わった「悪い人」です。

例えば、近所の親切なおばさんが、毎月野菜とか余った食材をたんまりくれるとしたら、すごく家計が助かりますよね。本来なら「お返ししなきゃな」ってなるのが人間ってものだと思うのですが、ブラック企業の考え方だと、それをちゃっかり家計に組み込んでしまう。おばさんがくれる食材ありきで家計を組み立て、くれなかったら「なんでくれないんだよ」「早く出せよ」って強要しているようなもの。「食費?そんなもの他に回しちゃいましたよ。だからおばさんの食材ないと回らないから早くよこせ」って。

絶対におかしいですよねそんなの。でも世の中はどうしても多数決みたいなところがありますので、多数がやっていることは自分もやっていいってなってしまうのもわかります。僕自身に直接的被害があるわけではないですし、悪いことをしている人は必ずなんやかんやでしっぺ返しをくらって没落していくのは知っていますので、別にそういう企業が存在してくれていてもいいですが、僕はまずそんなブラック企業のサービスは絶対に利用しません。

正直、世に溢れるブラック企業たちが、どんな没落の道を辿るのか、ちょっと楽しみだったりします。

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