人間ゴータマ・シッダールタってこんな人②|悟りと迷い

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

【シリーズ記事】「意味ないやん!」6年の苦行をきっぱりと捨てたゴータマ・シッダールタ。彼は一本の木の下に坐り、静かに瞑想をした。そこへ通りかかったのは……

ブッダの誕生

mahabodhitree

※インドに現存するシッダールタが悟りを開いた時に座っていたピッパラの木。ただし本体は5世紀の大弾圧で切り倒されており、残っているのは挿し木された子孫。

ピッパラの木の下で瞑想するシッダールタの前を、近くに住むスジャータという娘が通りかかりました。

近所の神木に捧げ物の乳粥を持って行くところだった彼女は、シッダールタの姿を見て、神木の精霊が現れたと勘違いし、シッダールタに乳粥を捧げました。
※余談ですが、シッダールタはなかなかのイケメン&イケボだったようです。

 

乳粥を食べてすっかり生気を取り戻したシッダールタは、落ち着いてこれまでのことを振り返ります。

「なんか全部失敗だったな……」

ものすごく残念な気はしましたが、彼は潔く失敗を認め、そして誓いました。

我が膚(はだ)、腱、骨干からび、我が血、肉尽き果てるとしても、完全なる正覚を得るまではこの地を去らじ(B・R・アンベードカル「ブッダとそのダンマ」より)

つまり、

「ちゃんと悟りを開くまで、死んでもここを動かない!!」

ということです。

 

50de11ff73013bea7f52d16d01207ba9_s

シッダールタが深い瞑想に入って間もなく、強い魔境が襲ってきました。

この魔境というのは深い瞑想をすると表れることがある幻覚幻聴のようなものと言われており、現代でも修行をする人の間では「悟りの前に立ちはだかる難関」として知られています。

一度は魔境に驚き、恐怖を感じたシッダールタでしたが、

我には不動の信念、勇気、智慧有り。いかにして汝の悪しき情欲が我を打ち負かせようぞ。この風が川の流れを涸らすことがあろうとも、我が決心を涸らすことあたわず。我、敗北より戦いて死ぬことを望む(B・R・アンベードカル「ブッダとそのダンマ」より)

つまり、

「負けて生きるくらいなら戦って死んでやる。さあかかってこい」

と、魔境に正面から挑戦状を叩きつけたのです。

 

襲いかかる激しい魔境を涼しい顔で無視し、瞑想を崩さなかったシッダールタの意識はやがてあらゆる束縛を離れ完全に自由となりました。

かくして彼は悟った人、ブッダとなったのでした。

広告


教えを説くか説かないかで迷う

そうして意識が自由になると、この世のあらゆる苦しみの正体と、その解決法が見えました。

これで、かつての自分のように苦しんでいる人や悩んでいる人、これから苦しむ人悩む人の心を、今の自分と同じように解放してあげられます。

 

ところが、

「なんやかんやで6年死ぬ気で修行したしな……」

「けっこう大変やったし最後の魔境すごかったし、これ普通の人できないんちゃう?」

「言葉で教えるったって、コレどうやって言葉にしたらええんやろ」

などなど、迷いが生じます。

 

118255y

その結果、

「やめとこ疲れるだけやし。少なくとも自分は楽になったし、もうそれでええ」

という結論に達し、シッダールタはそこから1週間、悟りの意識の中で存分に遊びます。

 

「ちょいちょいちょいちょーーーーーい!!」

シッダールタの前に、当時流行っていたバラモン教という宗教の最高神ブラフマーが飛んできました。

「え、悟ったんやろ?ブッダなんやろ?なんで教え説かんと?」

「ブッダっちゅうのは苦しんどる人のために教えを説くもんやで」

きっとシッダールタもまだ迷っていたのでしょう。

 

散々迷った挙句、彼は坐禅をやめて立ち上がり、教えを説くために歩き出しました。

後の世界三大宗教、仏教の誕生の瞬間です。

 

続く