いじめっ子と親友になったはなし|続・黒歴史の源泉見つけたり

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前回の記事で、僕と僕の親友のS君が、クラスメイトのK君(仮)にいじめられていたというはなしをしました。最後、続編があるようなかんじで〆ておいてすっかり忘れていましたので、今回はその続きをお話しさせて頂きます。※教育的要素はまったくありません。ただの黒歴史です。

中学生になった僕

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※いや、身バレしてはいけないので、所々味付けしてボカしています。

コチラの記事で、僕は中学時代に墓場まで持って行かなければならないレベルのこってりとした黒歴史を作ってしまったというはなしをしました。

当時の僕は、放課後になると部活をそっと抜け出して、校舎の最上階のベランダから夕日を眺めるのが日課になっていました。

これといって意味はありません。なんか夕日を見ていると切ない気持ちになって現実に絶望してる自分カワイイうわああああああああ!!!

しかし、思わぬことが邪魔して、この日課の儀式も次第に継続が難しくなっていきました。

僕は当時、中学生にありがちなテニス部(男子は運動部加入が強制だったので嫌々参加)でした。なるべく目立たないように、かなり不真面目にやっていたのですが、この儀式を始めるようになってから、儀式の後は「球のコースがまったく読めない」と顧問の先生や先輩からも一目置かれるようになり、

「あいつ隠れて酒を飲んでいるんじゃないか」

と疑惑を持たれるほど、各方面からいらない注目を集めてしまう事態になったのです。

久しぶりのベランダにて

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自分で言うのもアレですが、僕はかなり姿勢が良いです。それと、左半身だけ除毛クリームが効かないことだけは、僕の数少ないステータスです。

きっと、この当時に夕日ばかり眺めていたおかげで、姿勢がバッチリ矯正されたのだと思います。そのくらい僕は夕日を眺めていました。

この日、僕は期末試験か何かの採点で顧問の先生が不在の隙を見て、練習を抜け出して久しぶりに行きつけのベランダに来ました。

すると、そこには先客がいたのです。僕は慌てて気配を消しました。

(くっ……吹奏楽部かッ……!?)

僕がおそるおそる近づくと、なんとそれはあの生粋の超オラオラマスター&体育会系ガキ大将K君だったのです。

僕は咄嗟に身構えました。僕がよくここに来ていることを知って、待ち伏せしているのかと思ったのです。……ところが、K君はどこかしっとりとした空気をまとって、虚ろなかんじで夕日を眺めていて、僕の存在にはまったく気付いていないようでした。

K君は、夕日を眺めながら、時折手元の何かを見ては溜息をついていました。

キャッ!!

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キャットウォークで近づく僕の存在に気付いたK君が、咄嗟に黄色い声

「キャッ!!」

と言ったのを僕は聞き逃しませんでした。

……永遠にも感じる気まずい沈黙を先に破ったのは僕でした。

「K君……」

僕はこの時、既に何か感じていました。国語の教科書かなんかで読んだ

「ブルータス、お前もか」

という言葉がなんか心にハマっていました。(←)

実はK君が手に持っていたモノが見えちゃっていたのです。それは、天空の城ラピュタのシータの小さいフィギュアでした。

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わかり合ってしまった漢たちの語らい

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僕はK君の隣で手すりにもたれかかり、

「切ないよね……」

と言いました。それでもK君は警戒しているようで、黙ったままなので、僕は体操着のポケットから手書きのキキちゃんの似顔絵を取り出して見せました。

安心しろ……俺もだ。

するとK君はあからさまに一瞬驚いたリアクションをしてから、これまたしっとりと

「JINちゃんもか……」

と言いました。

……そこから僕たちは、お互いの部活はそっちのけで、時間も忘れてそれぞれのヒロインへの熱い想いを語り合いました。やがて、校内に「早く帰れ」なかんじ全開の音楽が流れると、僕たちは場所を帰り道の神社に移して、また語り合いました。

想う相手は違えど、僕たちにはいくつも共通点がありました。

叶うはずのない恋に胸を焦がしながら、僕は魔法を探し、K君は飛行石を探していました。なぜか共に空を目指していたのです。そして、これはさすがにお互い言葉にはしませんでしたが、なんかちょっとオネエな感じを燻ぶらせはじめていたのです。これはたぶん、暗黙の了解的にわかり合っていたと思います。どうかそうだと信じさせて下さい。そうでないと僕の黒歴史が闇黒色に上塗りされます。

……そのたった数時間で、僕たちの間にはすさまじく固い絆が芽生え、翌日からは毎日一緒に帰るようになり、すっかり親友のようになりました。

さすがに仙道魔術の話をしたときはドン引きされましたが、とりあえず僕とS君へのいじめは自然消滅したのでした。

【完】

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