非公開:僕の赤裸々なカミングアウト

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これは僕が墓場まで持って行こうと固く決意している恥ずかしい黒歴史についてのはなしだ。あまりに恥ずかしいから突然気が変わって削除してしまうかもしれない。どうかこの記事が僕の身内に読まれないことを祈る。

あれはたしか24歳くらいの時だった

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生まれつき自律神経がモロいのか、僕はこれまで覚えているだけで3回くらい大きな鬱(?)みたいなのをやった。いきなり余談だが、この世には鬱になる人と一生ならない人の2種類しかいないそうだ。どうやら遺伝子に原因があるらしい。だから鬱をやったことがある人は治ったからといって油断してはいけない。

最後の鬱はたしか24くらいの時だった。いや、あれは果たして鬱だったのか?よく考えるとわからないけれど、僕は突然ホルモンバランスを崩した。原因は何だったのか未だにわからないが、もしかすると当時、醤油と混ぜるとめっちゃ美味しい冷奴を食べているような感覚になるという理由で、無調整豆乳を一日2リットルくらい飲んでいたから、大豆イソフラボン(女性ホルモンみたいな働きをする)の摂りすぎが原因だったかもしれないし、当時ちょうど付き合っていた彼女にフラれたので、そのショックが原因だったのかもしれない。

で、ホルモンバランスを崩した僕がどうなったかというと……

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女になろうとしました

https---www.pakutaso.com-assets_c-2015-06-TSJ_runsowa20150208154849-thumb-1000xauto-18242タイトルに「赤裸々」って入れちゃったし、もう思い切ってぶっちゃけようと思う。

そうだ、僕は何故か自分が本来は女性ではないかと思うようになり、女性になろうとする。具体的にはユニセックスな服を着てみたり、香水を思いっきり女性物のやつにしたり、別に化粧まではしなかったが、化粧水、乳液、保湿クリーム、日焼け止めなどを買い、それをこまめにつけていた。性欲は皆無といっていいほど消滅し、僕は突然なよなよし始め、べジータもビックリするくらい女子力が急上昇する。ちなみに、香水の趣味だけは今でも変わっていない。

しかし、別記事でも書いたが、僕は剛毛の天パでしかもスネ毛が豊かという、かなりマイナスからのスタートだった。とりあえずまずは女性の象徴である風になびく美しい髪を手に入れるべく、髪を伸ばし始めた。もちろん、伸びたら縮毛矯正をかける前提だ。スネ毛も除毛クリームで処理したが、この時、何故か僕の体は左半身だけ除毛クリームが効かない、というヘンな特性を発見してものすごくアンニュイな気持ちになる。

けっこうマジだった

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さらに追い打ちをかけるように、当時、美女オネエタレントがたくさんテレビに出ていた。「え、マジで(元)男なの!?」と思うような彼らの美貌に驚くと同時に、僕は努力次第であそこまでいけるんだな、がんばらなきゃな、と俄然火がつく。

まずア○ブロで女子になりきってめっちゃ可愛らしいブログを始め、女装子さんや当時の僕と同じ悩みを持つ人たちに片っ端からア○ンバー申請をしたり、ペタをつけまくったりする。でも、女装とか化粧とかまではする勇気が無かったので、顔出しや画像のUPは一切しなかった。

この時はもう自分は性同一性障害だと確信していて、ガチで大学の研究資料みたいなのを読んだりして勉強し、いずれホルモン注射を打つことを考え、それまでのつなぎとして無調整豆乳の量をガンガン増やし、また、ネットで女性ホルモンっぽい働きをするという高額なサプリメントをしこたま購入して飲んでいた。

そして、実際に性転換手術を受けた方の体験記とかブログを夜中まで読み、いずれは自分もタイに行くことになるだろうと普通に思っていた。危なかったぜ。

え、え、で、ドッチだったの?

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これは不思議と“どっちでもなかった”。あ、あ、どっちもイケるとかそういうことじゃない。これは僕が特別だったわけじゃなくて、世の中には結構そういう元男さんがいて、女性になっても女性が好き、という方も普通にいるようだ。

だから、綺麗な女性にはなりたかったけど、その結果誰か素敵な男性に愛してもらおうという考えは全くなかったんだ。ただ、うまく綺麗な女性になれたとして、男性も好きではないとなると、パートナーを探すのは大変だなあ、やっぱり一生独身なのかなあ、父ちゃん母ちゃんに初孫抱かせてやれないなあ、とか考えていた。

日に日に勘違いを加速させていく僕は、半年くらいすると周囲のそうでもない女子たちを見下すようになる。「あ、コイツよりはかわいいな……」とんでもない!ただ髪が長いだけの青髭のある、なよなよした若いおっさんだから!!嗚呼……思い出すだけでもジタバタする。

なぜかここへきて爆発したナルシシズム

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この頃の僕の楽しみは、夜、間接照明だけにした薄暗い部屋で、不遇の運命に翻弄されたかわいそうな美少女ごっこをすることだった。なんのことはない。ただ床に敷いた絨毯の上でぺたんと座り込み、自分はなんてかわいそうなんだ(そして美しいんだ)と嘆く、ただそれだけだ。

別に焦ってお金を貯めていたわけじゃないけど、このハイパーリーズナブルな趣味のおかげで貯金は爆発的に増えていった。そして、当時の僕は別に太っていたわけではなく、むしろ「もっと肉つけなよ」って言われるくらい痩せていたのだが、“なんか女子っぽい”とかいう安直な理由で、ダイエットを始める。ロン毛で青髭、左半身だけスネ毛ジャリジャリでなよなよしているところに、ガリガリというキモさUP必至のオプションまで追加しにいったのだ。誰か当時の僕を止めてやってほしい。

ただ、マジでガチだったので、雰囲気はそれなりにふんわりしてきたようで、この頃は3日に1回くらい人から道を聞かれるようになる。これを僕は「道を教えてあげるアタシったらいい女!」「これはナンパをされる日も近い!」みたいに思っていたんだ。誰か(ry

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そんな日々が3年くらい続いた

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僕はもうこの頃、周囲の友達に「俺は去勢する!」と公言していた。やっぱり「実はアタシ女なの」って言うような勇気は無かったから、「性の象徴は芸術の邪魔だ!」というよくわからん言い訳を添えていた。いや、実は25歳くらいから、不遇の運命に翻弄された美少女ごっこに飽きた僕は小説を書いていた。だからあながち嘘でもなかったんだ。

……しかし考えてみてほしい。当時の僕みたいな勘違い野郎が筆を執るとどういうことになるか。そうだ。美少女主人公が不遇な運命に翻弄されるお花畑ストーリーが出来上がるに決まっている。しかもPCではなく、原稿用紙に万年筆で書くという伝統的なスタイルだ。ここにも僕の暴走したナルシシズムが余すところなく表れている。

まだ、タイに行くという野望は捨ててはいなかった。ホルモン注射を打つにしても去勢をした後の方がめちゃ効果的という話をどこかで読み、この頃はマジでタイへ行く資金をコツコツと貯めていた。

そんなある日のことだった……

友達に旅行へ誘われました

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25歳くらいから僕はどこへ行っても浮きまくっていたので、この誘いも本当は数合わせみたいな感じだった。しかし、ナルシシストモンスターと化している僕だ。当然「こいつアタシに気でもあるのかしら(いやあるに違いない)」って脳内変換され、旅行中、僕はここぞとばかりに女子力を爆発させた。

しかし、もちろんアバンチュールなコトなど起こるわけもなく、みんなで温泉に入ったり写真を撮ったりして普通に過ごして終わった。……それから1週間後のことだ。

「こないだの旅行んときの写真、ムービーにしたんで焼いて配りまーす」

「ほほう、どんなもんじゃい」と僕はもらったディスクをPCで再生してみた。すると……

やっぱりおっさんだった

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そこに映っていたのは、めっちゃはにかんでいるアラサーのおっさんだった。当然だ、おっさんだもの。

そういえば外で写真を撮ることなんて、僕の勘違いが発動してからはこれが初めてだったかもしれない。ユニットバスのやわらかい照明の中で鏡に映る僕は、そこそこいい女だったはずだ。しかし、お天道様のもと無様に曝け出された現実は残酷だった。

途端にモーレツな恥ずかしさがこみ上げて来て、たぶん3日くらいジタバタしていたと思う。もっと早く気づいていれば、こんな長編黒歴史を爆誕させることもなかったのにとすごく後悔した。

そして今、僕は健康的なおっさんをやっている。当時の名残といえば香水の趣味と、あとわりとキレイ好きってことぐらいだ。