安全カミソリで世界は救えるか?

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想像してほしい。あなたが朝、寝ボケ眼で「あ~まだ水曜日かよぉ……めんどくせえなぁ」とかボヤキながら洗面台でヒゲを剃っている時に、突然鏡に吸い込まれ、気づいたらいきなり目の前に、思いっきり敵意むき出しの暗黒世界の帝王がいたら……?

敵のスペックとか

<詳しすぎる暗黒世界の帝王のスペック>

  • 龍みたいな爬虫類系。
  • 脳内に直接語りかけてくる。
  • 炎を吐く(お肉を美味しく焼き上げるのに最適な65℃の中火。射程距離は50メートル)。
  • 手は短いが鋭い爪があり、接近戦でくらうとスーツのジャケットくらいなら貫通してワイシャツが傷む。
  • 基本帝王なのでそれっぽさを出すために動かない。攻撃は大体当たる。
  • 背中にはコウモリっぽい羽が付いているがお飾り。機能性ゼロ。ぶっちゃけ邪魔。
  • 偏った食生活が原因で腸内環境が最悪。そのせいでお肌が弱い。
  • お肌が弱いのでいつも手にビタミン補給の為にぽんかんを持っている(いちおう回復アイテムだが効果が出るのは翌朝)。
  • キツめの山口弁で脅すとちょっと怯む。博多弁は逆効果。博多弁の女の子を連想して逆にテンションが上がる。
<あなたのスペック>

  • 毎月実家からたくあんが届く。
  • 風呂上がりなのでバスタオルを一枚腰に巻いているだけ。
  • 手には何がしかのひげ剃りアイテム。
  • 肌は強いのでシェービングクリームは使わないタイプ。
  • いろんな意味で右利き。

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もしあなたがシェーバー派だった場合、諦めるしかない。最近のシェーバーはお肌にめちゃやさしいから、武器としての攻撃力はほぼ期待できない。思いっきし「ああ伝説の勇者様!!」「お助け下せえ」な雰囲気を出しているオーディエンスを振り切って全力で逃げよう。

逆になんかヘンなこだわりから床屋さんスタイルの潔い大ぶりの1枚刃を使っている人だったらラッキーだ。助走をつけて思いっきり斬りかかろう。

しかし多くの場合はT字の安全カミソリだと思うので、あなたもそれを持っているとする。最近の安全カミソリは5枚刃とか多いものだと6枚刃なんかもあったりして、お肌にやさしいので侮れない。あなたも負けないでほしい。あと最近のやつは裏っ側にヒゲデザイン用の1枚刃が付いていることがあり、おそらく実戦では主にそっちを使うことになるだろう。

戦闘方法

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卓球のラケットみたいにシェイクハンドでかからないとダメージを与えることはできない。普通に振り下ろしても、帝王の産毛を剃ってツルツルお肌になるだけだ。

まあ上記のスペックどおり、お肌が弱いので、ステルスを斬った石川五ェ門のようにしつこくそれを繰り返していれば、炎を吐いた時に「アッツ!」ってなって自滅を促せるかもしれない。

どっちにしろ持久戦になることは間違いないので、攻撃を受けていちいち

「くっ……これが闇の力かっ!」

とかそういうのはやらずに、素直に体力は温存しよう。

炎を吐いても65℃だから、とりあえず腰に巻いているバスタオルを左手から下げて突進すれば、一気に距離を詰めて接近戦に持ち込める。というか、あなたには接近戦以外で戦う術はないのだ。

接近戦になると今度は帝王の鋭い爪が襲いかかってくる。スーツのジャケットくらいなら貫通する鋭さの爪を地肌で受けたらモロ放送事故だ。炎は浴びてから避けても全然間に合うくらいの温度なので、バスタオルを上手くからませて片方の爪を無効化しよう。これでリスクは半分になる。

そこへすかさず、心理的な揺さぶりを仕掛ける。

「あんたぁそねぇないたらんことしよったらごんごじが出るよ!!」
(貴殿、そのような紳士に相応しくない行いをなさっていては、とてつもなく恐ろしい魔物が出ますよ)

「ばってんほんなこつぁあんだんこつ好ぃとぉーよ☆(全力の裏声)」
(でも本当はあなたのこと好きなんだからねっ☆)

「ええ加減にせんにゃあけっつり回してしごおちゃるで!!」
(いい加減にしないと、蹴り回してあなたを懲らしめますよ)

帝王が2段階で怯んだ隙に、懐へ潜り込んでシェイクハンド!山口弁!博多弁!山口弁!シェイクハンド!……

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そして世界は救われた

+

……どのくらいの時間、心理的揺さぶりと攻撃を繰り返し続けただろう。あなたもヘトヘトだが、暗黒の帝王もかなり弱っている。気付けばもうオーディエンスたちも顔がテラテラしている。

「次の一撃が我ら最後の別れとなるだろう」

あなたは強い確信と共にそう言うと、最後の力を振り絞って、傷だらけの帝王の懐に渾身のシェイクハンドをブチ込む。

「こ、この私が負けるとは……無念……」

帝王は地に崩れたが、同時にあなたも最後の大リーグボールを投げた直後の星飛馬のように腕を押さえて倒れ込む。シェイクハンドで繰り返し酷使され続けた右腕は、限界をとっくに超えていたのだ。

「燃えたよ、燃え尽きたよ、真っ白に……」

そこへ、オーディエンスの中から、村の長が静かに歩み寄る。彼は何かよくわからない地元の言語で、お礼っぽいことを言うと、あなたをそっとおぶって連れて行く。……こうして世界は救われたのであった。

そして、あなたは目を覚まし、時計を見て「ファッ!!?」と言って、頭の中が真っ白になる。

途中、「ごんごじが出る」とかブログタイトルをそのまま言っちゃったけど、別に最終回ではない。こんなつまらんブログだけど、これからもしぶとく更新していくので、どうぞよろしくお願いします。