【最終解脱】黒歴史の源泉見つけたり

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ここ最近、あちこちの記事で自分の黒歴史をぶっちゃけてきた。振り返ってみると、僕の黒歴史のパターンはいつも一緒だった。何故だろう?僕自身ずっと疑問だったんだけれど、ついこの間、ふとした拍子に電撃のように思い出してめちゃくちゃ死にたくなったので、この場を借りてまた、お焚き上げをさせて欲しい。

いじめられっ子だった友達

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小学生の頃の話だ。クソ田舎の小さい学校だったけど、まああの年頃って必ずちょっとしたいじめっぽいのが起こるものだ。

その中でよく標的にされている、気の弱いS君というのがいた。僕もたいがい気が弱かったので、だいたい僕とセットでいじり倒されていたけれど、めっちゃ泣き虫だったS君はシングルでもよく標的にされていた。

僕は放課後に、村の神社や隧道の中や森の中で泣いているS君を探し出し、慰めながら話しを聞いてから帰るのが日課になっていた。

そんなある日のことだった。僕はまた放課後にS君を探しに行った。いつもS君をいじめているK君たちがキャッキャ笑いながら帰っていたので「Sちゃん知らん?」と聞いた。「は?しらねー。あっちじゃねー?」と言って彼らはまたどっと笑った。こういう時の彼らはウソをつかないので、僕は彼らが指差した方へ向かった。

やはり、村の八幡様(神社)にS君はいた。本殿の裏で砂まみれのS君がうずくまって泣いていた。傍にはランドセルから飛び出した教科書が散乱していた。

「Sちゃん、大丈夫?」

「悔しいよな。どうしよ?やっぱし先生に言おうか?」

僕はS君の教科書の砂を払いながらそんなことを言った。

「意味ないて……あの先生なんもしてくれんやん……」

当時の担任は年配の女性で、何をするにしても的外れな人だった。ある時は「あんたらS君いじめとるんやて?S君やめてほしい言うてるんやけやめやー!」とド直球で言ってしまい、放課後すごい大変なことになったこともある。

ランドセルを整えた僕は、S君の隣に座って一緒にぼけーっと空を見上げて打開策を考えた。銀色の煤けた重い雲がどんどん流れる、台風一過の夕暮れだった。

黙り込むS君

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「なんかええ方法ないもんかなー」

僕もたいがいいじめられていたけれど、僕はそうそう泣かなかったのでK君たちも面白くなかったのか、そんなに頻度は高くなく「まあこんなもんだろう」って思えるレベルだった。

でもS君のは看過できるレベルを超えている。この頃から、いじめ自殺がニュースになり始めていたので、僕はS君が心配でしかたなかったんだ。

僕が「こうしてみるとか?」みたいに思いついたことを言う傍で、S君はずっと何か考え込んでいるようで「……うん」みたいな返事しかしなかった。僕はますます心配になって、努めて明るくバカっぽいことを言ったりした。

「俺も飲んだことないけど、お酒――」

「僕君……」

「お酒とか飲んでみちゃう?家に帰ったら父さんのお酒あるけん♪」と言おうとしたのをS君は遮った。なんだ?どうした?

「頼む、一生のお願いだから女になってくれないか?

同性に告白されたことがあるという稀な経験がある人はいるだろうが、こんなお願いをされたことがある人はそうそういないのではないだろうか?

「え?え?ちょいSちゃん何言うとるん?(笑)」

立ち上がって僕を見降ろすS君の目は本気だった。

「もし僕君が女になってくれたら、俺なんでもがんばれる気がするんよ!」

ちょっと待て、今のままの俺じゃダメなん?って本気で思ったけど、それは言わずにしまった。なんかディスられてる俺?

「う、うん……ちょっと考えとくわぁ……」

ってお前も検討するんかーーーーーい!!そこは断れ当時の俺!!

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その夜から……

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ちなみにS君は祈祷とかする家のせがれで、ちょっと不思議な力があった。僕はその夜から“朝起きたら女子になっているという夢“を頻繁に見るようになる。それも、いつもの夢とは違う、生々しいリアリティを伴う夢だった。あまりにも大迫力だったので、僕はその夢を全部、鮮明に記憶していたようだ。もう遅い。パンドラの箱はフルオープンだ。

その夜に見た夢はこんなかんじだ。

僕が朝目覚めると、まず掛け布団の感触をくすぐったいくらいに感じる。なんだか肌がすごく敏感になっていて、布団から出ても空気がそこにあるのを感じる。

なんか動きにくいなーと思って体を見ると、僕は何故か女子高生の制服のような格好をしているんだ。

(あれ、なんだこりゃ?これお姉さんたちが着る服やろ?……)

僕がチェックのスカートをめくると――無い!わりと大切にしていた僕のシンボルが無い!!ていうか手が女の幽霊みたいに白くて細い!怖ッ!!そして、うつむいた時に下りてきていた視界の両側の長い黒髪に気付き、僕はまたおったまげる。

「鏡、鏡!!」

男の子の僕の部屋にそんなものがあるわけもなく、僕は葦簾(よしず)が立てかけてある、ベランダ側の窓に向かう。するとそこに映ったのは女子高生のような格好をした、黒髪ロングの女子小学生の姿だった。しかもリアルの僕よりちょっと身長が高いとか悔しい。

このままの格好では部屋から出られないどうしよう、と部屋の中でパニクっていると

「あんたいつまで寝ちょるそー?学校行かんにゃー」

って母親が僕を起こしに来た。万事休す。これはもう正直に保護者に相談しよう。

「なんね、起きちょったんかいね。朝ごはん出来ちょるけん早う食べて学校行きんさい」

え、どういうこと?あ、もしかして俺が男の子だったっていうのが逆に夢だったわけ?えー、うっそー!?

ダイニングでいつものようにコーヒーとパンの朝食を摂っている父親も「おう、おはよ」みたいな普通の対応。

とりあえず僕は朝食を食べて、学校に行った。学校はリアルの学校のままだった。僕の通っていた小学校は家から徒歩5分くらいの近場にあったのだけれど、女の子の体の体力の無さよ。僕は「こんなに遠かったっけ?」って思うくらい、登校だけでぐったりとしてしまった。

学校に着くと、S君がすごくなれなれしく話しかけてくる。まるで俺の女と言わんばかりに。クラスは僕以外リアルのままだった。

僕は内面はバリバリ男の子なので、当然いつも仲良くしていた友達と休み時間に遊ぼうとする。すると、S君が手を引っ張って「○(僕)ちゃんは俺と遊ぶの!」と言って僕を連れて行く。

うーん、昨日までの僕が夢だったとしたら、もしかするとリアルの僕はいつもS君と遊んでいたのかもしれない……とか思って、渋々それに従う。でも何して遊んでいたんだろう?全然記憶に無いけど大丈夫かな?

S君に言われるまま着いて行くと、体育館の裏に来た。当時体育館の裏といえば、みんなにバレないようにウ○コをする場所だったので、S君が便意を催したのかと思った。するとS君はセメントの上に腰かけ、手で「お前も座れ」とやる。

一体何が始まるんだ、と訝しがりながら僕が座ると、S君は僕の頭をなでたり、手を握ったり、なんか延々とそんなことをし続ける。なにこれ?

でも僕は頭をなでてもらうのが好きだったので、なでられているうちにだんだんと眠くなってきて、いつの間にかS君に身を預けるようにして眠ってしまう。

……で、リアルで目が覚めて、慌てて股間をチェックする、というようなことがその日から3日に1回くらいあった。S君のパワーすげえ……。

※ちなみに、S君と僕へのいじめはこの時がピークで、いちおう中学までふんわり続くが、なんと中学で思わぬことがキッカケになって僕とK君が大親友になることで完全に消滅する。これはまた別の機会に。

当時のS君に今の僕が言いたいこと

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S君、その力使って僕にそんな君の理想を押し付けるような夢を見させるんじゃなくて、K君たちをなんとかするっている発想は無かったのかな?とりあえず、ありがとう。こうして話のネタになったよ。でもその後2回くらい僕は図らずも君の理想に近づくような黒歴史をおっ立ててしまうよ。おちこんだりもしたけれど、おっさんはげんきです。