わりとネタになるくらいのイジメに遭っていた件

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僕は高校時代にわりと壮絶ないじめに遭っていたんだ。最近テレビでいじめの話をよく聞くから、ちょっとここでは僕の経験を話したいと思う。いじめられるって結構大変なコトなんだぜ。

動く的だった高校時代

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中学の時にも先輩からいろいろやられていたけど、まあそれは今みたいに教育現場がピリピリする前の時代の話だから、思春期特有の「俺は先輩ぞ!」みたいなシゴキの類だったと思う。

僕は当時、哲学とか宗教とかの本を読むのが大好きで、わりと同年代に比べて考え方の面でマセていたので、その辺はなんか理解していて「思春期ってそんなもんなんだよな」ってくらいにしか思っておらず、辛いとか苦しいとか感じたことは無かったように思う。

それに、いろんな記事で書いているが、僕の地元はクソ田舎だ。小中なんて2クラスずつしかないし、先輩も後輩も顔見知りしかいない。学校の外でも普通に顔を合わせることがあるし、小さな村なので保護者の監視の目も利きやすいからなのか、ニュースになるような激しいいじめの話は聞いたことが無い。

ところが、一学年10クラスもある大きな高校に進学して、隣町の連中とごちゃまぜにされた僕は、まず自分がどれだけガラパゴス的な環境にいたのかを思い知らされる。カルチャーショックだ。同級生をあいさつのように嘲笑したり、バカにしたり、まあいわゆる“イジリ”というやつなんだろうけど、僕はそのスピード感について行けず、たちまち浮いてしまった。しかし、幸いなことに同級生はわりとマイルドな人ばかりで、哲学や宗教の本の知識を血肉として形成された、若さの微塵も無いとても高校生とは思えないカタブツの僕を生温かく受け入れてくれたんだ。

前置きが長くなってしまった。あれはたしか3組との合同体育の時だったと思う。ルール無視の超大人数でサッカーをすることになった。僕はスポーツは得意ではないけど、知らない人たちの中でただ突っ立っていても緊張するだけだから、とりあえず一生懸命ボールを追いかけた。

3組には、後に退学になっちゃう有名な不良のA君ってのとその仲間たちがいた。彼らは中学でサッカー部だったらしく、3組のボールはほとんど彼らに集まっていた。そのA君が、ゴール横のコーナー付近でちょっと休んでいた僕に向かって猛烈な勢いでドリブルをして迫ってきた。ちょっと待て、こっち来なくてもゴール前はガラ空きだ。僕も回復中で止める気はないからまっすぐゴールに向かえばいいじゃないか。

次の瞬間、僕は顔面に感じた衝撃で倒れた。鼻の中には、あの強い衝撃を受けた時のにおいがしていた。A君は僕の顔を目がけてシュートを放ってきたのだ。チクショーいいコントロールしてやがるぜ。

その後も「あれ、僕ゴールだったかしら?」と思うくらい僕にたくさんのシュートが放たれた。僕は顔面はイヤなのでそれをひたすら背中で受け止め続けた。体育が終わってからの午後の授業で、僕は痛くて椅子の背もたれに触れないので、めっちゃ姿勢を正して授業を受けた。先生もきっと感心していたと思う。

このゴールの仕事は、A君たちが非行で退学処分になるまで続いた。

次は野球部に狙われる

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本当は健康の為に何か運動部に入ろうと考えていたのだけれど、丁度この頃、家庭経済が困窮気味になっていたので、いらん出費で家計をさらに圧迫するのも悪いと思った僕は、結局なあなあで帰宅部になっていた。

あれは1年の2学期だったかの体育祭の時のことだ。高校の体育祭なんてきっと全国共通だと思うのだけど、運動会というよりは運動能力測定大会という感じで、さしたる盛り上がりも無いまま、淡々と競技をこなしていき、競技の無い間はフリータイムといったスタイルだった。僕は人ごみが苦手なので、競技の無い間は校舎の裏の方の静かなところで過ごしていた。

僕はまたも後頭部に衝撃を感じて振り返った。サッカーボールほどの衝撃ではない。何かチクッとした感じだった。足元には水でビッタビタになったたわしが落ちていた。

「???」

僕が訝しがっていると、4階の渡り廊下のほうからヒョコっと野球部のヤツが顔を出した。めっちゃ笑っていた。1人じゃない、たくさん笑い声がしたので何人も仲間がいたのだろう。え、そんなところから僕の頭にHITさせたん?コントロール良すぎじゃん……。

長くなってしまいそうなので簡単に述べると、その後僕は体育祭が終わるまでに

  • 水でビッタビタのたわし(もう1回)
  • 同じくスポンジ
  • もうめんどくさくなったのか石鹸本体
  • チョークでパッフパフになった黒板消し

を、絶妙なコントロールで浴びることになる。クラスに戻ってから、女子に「僕君いったい何の競技してきたの!?」って言われたのは忘れない。

オマケみたいに付け加えるけど、僕はこの数日後に野球部にゴミ捨て場に閉じ込められる。夏場のゴミ捨て場は香ばしかった。他にも犯罪一歩手前のコトをされたけど、それは過激なのでまた気が向いたらどこかで話したいと思う。

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原因を考えてみた

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なぜ僕がいじめの標的にされるのだろう。僕はいよいよ真面目に考えてみた。でも、そもそもが接点の無い相手だ。僕は帰宅部だったし、クラスも10組中10組で階の端っこだった。僕をいじめている同学年は番号の若い方のクラスのやつばかりだったから、合同体育でくらいしか顔を合わせることも無い。

もしこの記事を読んでいる人で、今現在いじめに悩んでいる人がいたら、コレだけは絶対にやってはいけない。往々にして人間が一か所に集まって長時間過ごしていれば、群集心理で大なり小なりいじめは必ず起こるもの。そこで標的にされる理由なんて、実はいじめている側もよくわかっていないことが多いんだ。「コイツならいいんじゃね?」程度のふわふわした理由であることが大半だ。

反省なんかしたって答えが見つかるわけがない。自分で自分を傷つけるようなことをしたって時間のムダなんだ。きっと君は周囲から優しい人間だと思われている。それは反省なんてするべきものではない。むしろ誇るべき人徳なんだから。

考えても考えてもわからなかった僕は、バカだったのか何だったのか、いじめている中心人物と見抜いた、野球部のキャプテンに直接聞きに行くことにした。昼休みに突然呼び出され、彼は驚いていたようだが、指をポキポキ鳴らして肩をいからせながら僕に着いて来てくれた。

「あぁ?なによ?」

「いや、忙しいのに突然呼び出しちゃってゴメンネ」

みたいな会話から始まった。甘酸っぱいことこの上なしだ。

「いや、なんていうか、めっちゃコントロールええな自分。さすがはエースピッチャーやわ」

僕は強がりでも何でもなく、僕にぶつけたことはとりあえず置いておいて、それは本当に思っていたんだ。彼は肩すかしを喰らったみたいにポカーンとしていた。

「俺、なんかした?もしなんかしたんやったら、謝るけえ教えてほしいんやけど」

彼の戸惑った顔は今でも忘れられない。彼はもじもじしながら「自分の彼女が君のことをちょっとイイねって言ったから、それでムカついてたんだ」と教えてくれた。

「自分俺なんかよりずっとイケメンやしスポーツも出来るんやけ、胸張りんさいや」

なんだ、僕悪く無かったじゃん。僕はホッとして、彼と握手をして別れた。その日からピタリといじめは止んだ。

今いじめに悩んでいる人へ

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悲しいことだけれど、親兄弟先生に相談したところで、いじめが解決することはあまりない。住んでいる世界が違う人間に助けを求めたところで、彼らが出来ることは限られているし、往々にして的外れになってしまうことが大半だ。

僕も親をむやみに心配させたくないから言わなかった。僕は長男だったし、僕に降りかかる危険にはちょっと過剰な反応をする親だったから、もし学校に怒鳴りこまれたりなんかしたら、根本的な解決への道は閉ざされ泥沼化するのも見えていた。

だから僕は、どうにも堪えられない時は学校をサボった。もちろん、ただサボったら親に勘付かれてしまうから、「学校の授業のペースが遅すぎるから、家で勉強をしたい。出席日数はギリ守るから」と言って許してもらっていた。

そして実際に勉強をした。まあ田舎すぎて娯楽が無かったからというのもあるけれど、嘘に信憑性を持たせるためには、自分でその嘘に騙されてみるというのは大切なことだ。いつしか僕は「自分が本当に勉強が大好きなんだ」と錯覚をするようになる。結局、その生活を始めてから成績はダダ上がりした。いじめもかわせるし成績はよくなるしいいコトづくめだ。

だからもしあなたの子どもが突然学校に行きたくないって言い出したら、まずは許してあげてほしい。心理学的にも、一度集団の中でスケープゴートに選ばれてしまった対象者は、その場を離れるのが最も有効な解決方法だといわれている。

人間には、その人の現在のキャパシティで乗り越えられない試練は訪れないようになっている。必ず自分の限界かそのちょっと向こうの手が届くところに解決方法がある。一度心をニュートラルにしてみて考えてみよう。転んでもタダでは起きない、オリジナルの素敵な方法が必ず見つかるはずだ。それが僕の場合は直接聞いてみちゃえ、だった。

結果的には、これがラポールという心理鳴動作用を起こしたようで、僕は終始ニコニコしていたけど、おそらく相手は「なにコイツ怖い」って思ったと思う。人間関係は先に空間の主導権を握った者勝ちだ。拳じゃない。

大丈夫だ、今絶賛経験中の君にはわからないかもしれないが、2年、3年なんてあっという間だ。これはちょっとこのおっさんを信じてみてほしい。もしどうしても解決が出来ないようなら、周囲や人生に絶望する前に、生きることに必死にならなければならない環境に飛び込んでしまえ。そうすればきっと君は自分でも驚くくらいに覚醒する。人間という動物はそういう風に出来ているのだから。

そして今の内から、卒業後に、そいつらがいる地元をバーンと離れる準備をするんだ。それまでの辛抱だ。

もしどうしても悔しくて悔しくて、なんとかして仕返しをしてやりたい、納得できない、というのなら、正直僕はちょっと霊感があってオススメはしないが、呪詛でもやってみればいい。結構バカにならないぞ。でも人を呪うのにはそれなりのリスクもあるから、出来れば堪えながら上記のような準備をするのが最善だ。人を責めることも、自分を責めることも、エネルギーの無駄遣いで非常に効率が悪いから、ハイリスクローリターンなんだ。

最後になったけど、どうか最悪の選択だけはしないでほしい。おっさんは悲しい。そんな連中の為に命を捨てるようなことはしないでほしいんだ。1個しかない命、同じ捨てるなら燃えるような愛の為に捨てようじゃないか。大丈夫だ。君も遅かれ早かれ必ず胸を焦がすような恋をする。めっちゃ無謀な恋をする。その時は死ぬ気で行け。むしろこっちから命を投げ捨てるくらいの感じで行くんだ。あの感じ、体験しないで人生やめちゃうのはもったいないぜ。ぶっちゃけおっさんも、釈由美子に恋をして東京まで行っちゃったことがあるんだぜ。

そして苦しみ悩み抜き疲れ果て、意識の上で一回死の淵まで行った君は、君をいじめている人間たちより将来的に遥かに強い。この違いは近い将来わかるだろう。ポテンシャルは雲泥の差だ。おっさんは君の将来が楽しみだ。

 

説教臭くなってしまった。照れ隠しのふざけたタイトルは許してほしい。お口直しをしたい方がいたら、僕のカミングアウトでも読んでみてほしい。世の中にはこんなバカもいて、それでも図太く生きているんだから、きっと大丈夫だ。

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