二十歳の年に買って今でも大切に読んでいる本があります。
秘密経典 理趣経(八田幸雄著)
です。
ま、待って引かないでください💦
「なんか紫色で金色のすっごいやさしい巨大な何か」にがっちり心を奪われた小4の夏
あれは小学4年生の夏。岩国に母に連れられて行ったときのことです。
我が家ではそれが夏休みの恒例行事になっていました。
今思うとなんで夏休みの子どもを遊園地とかではなく渋い城下町に連れて行っていたんだろうと思いますが、たぶん毎回寄っていた美味しいざるうどんのお店が母の夏の楽しみだったのではないかと。
毎回、帰りにお土産屋さんでなにか一つだけ好きなものを買ってもらえることになっていました。
私は小さい頃から同年代の子が欲しがらないような、自慢しても「?」な顔をされるようなものばかりを欲しがる子でした。(ちなみにこの年の誕生日プレゼントは私の強い希望で木彫りの大黒様でした)
その時買ってもらったのは、800円くらいの干支別の開運ブレスレットでした。あの、ワンポイントの珠を覗き込むと仏様が見えるやつです。
そうとは知らず、とりあえず全体的に夕焼けのような色がきれいだったから、とかそんな理由でそれを買ってもらいました。
私が欲しがったそれはちょうど私の干支のでした。
岩国駅のホームで帰りの電車を待っている時に、ワンポイントの珠に小さい穴があることに気づきます。
恐る恐る覗いた次の瞬間、そこが世界のすべてになりました。
全身に電撃のようなものが走って、一気に呼吸が荒くなって吸い込まれそうになり、ハッとして慌てて目から引き離したのを覚えています。
「なんか紫色で金色のすっごいやさしい巨大な何か」がいました。
千手観音菩薩でした。
もう帰りの電車では何もかもそっちのけで、ずっと珠の中を見ていました。
観音様について知りたい
こうなったらもう観音様に夢中です。
夢中になったものについてはとことん知りたい。
ネットもない当時です。知りたいけどどうしていいかわからないまま、観音様の絵を描いたり、観音様の像を見て満足したり、そんな感じで時だけが過ぎていきました。
そんなある時に出会ったのが般若心経でした。
そうです。
「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時」
で始まる有名なお経です。
たぶん母方の菩提寺が曹洞宗だったことも幸いしました。
「観音様(観自在菩薩)のこと書いてある~!」
もう、今で言うなら好きな人のSNSのアカウントを発見したような、なんかもうすごい喜びでした。
空(くう)の教えに夢中
それから、観音経というド直球で観音様について書いてあるお経にも出会うのですが、あまり惹かれませんでした。
観音様そのものではなくて、観音様がこの世界を観察して気づいたことのほうに強く興味を感じました。
たぶん、強い憧れのようなものから
「観音様(みたい)になりたい」
と思っていたのだと思います。
なりたい人からすれば、観音経に書いてあることはパッと見難しく感じました。
私は火の坑を池に変えたりとか高いところから落とされた人を虚空に浮かせたりとかできる気がしませんでした。
いや、いつかできるようになるのかもしれませんけど、たぶんその最初の最初は、この般若心経に書いてあるような、観音様が気づいたことを理解することなんじゃないかな、と思いました。
そう考えた時、般若心経はなんだかざっくりしていてよくわからず、もっと具体的に知りたいと思った私は、中村元さん訳の般若経典などを読み漁るようになるのでした。
そして何回読んでも味があるなーと思ってずっとそばに置いているのが冒頭でご紹介した理趣経(般若波羅蜜多理趣百五十頌)です。※般若経典の一部です。
天国を見てわかったこと
なぜこのような昔話をしたのかというと、この本には奇跡講座と同じように天国を見るヒントがたくさん書いてあったのです。
イエスが語るこの幻想の世界から覚める方法を記した奇跡講座の理解を助けてくれたのは紛れもなくこの理趣経をはじめとした般若経典たちでした。不思議ですね。
いや、時系列でいうと、般若経典を読んできてあとちょっとで理解できそうでできなかった空の教えを超絶具体的に明快に解説してくれていたのが奇跡講座だった、というほうが適切かもしれません。まあどっちでもいいです(笑)
これからこの本から引用などをすることもあると思いますが、いきなりよくわからん経典の話をしてあなたを驚かせたくなかったので、先にお話ししておきたかったのです。
以上です。
ありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。